ASD・ADHDなどの発達障害で「障害者手帳」を取得するメリットは?〜公共サービス編〜

前回投稿した「ASD・ADHDの発達障害で「障害者手帳」を取得するメリットは?〜税金編〜」では、障害者手帳を取得することで、所得税や住民税、相続税など様々な種類の税を控除できるメリットを説明いたしました。

しかし、メリットはこれだけに留まりません。
今回は、障害者手帳を取得するメリットについて、「公共サービス」に絞って詳しくご説明いたします。

各種料金の割引(減免)を受けることが可能

ASD・ADHDなどの発達障害では「精神障害者保健福祉手帳」の所持が認められますが、手帳を所持している場合、各種料金の割引を受けることができます。

文化施設

博物館や美術館・コンサートホールなど、公営・民営問わずほとんどの文化施設において、障がい者割引を設定しています。例えば、東京都美術館は、特別展・企画展において鑑賞料金が無料です。

特別展・企画展では、身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料でご覧いただけます。証明できるものをご持参の上、特別展・企画展会場入口でご提示ください。公募団体展・学校教育展については、各団体の事務局にお問い合わせください。

※引用元:東京都美術館 https://www.tobikan.jp/support/faq.html

東京都美術館の他にも、都立の各美術館・博物館では割引を行っています。
しかし、国・地方自治体が運営する公共施設の利用料金は、それぞれの自治体によって異なるため、料金の詳細は各自治体のサイトをご確認ください。

そのほか、多くの民間の文化施設で利用料金の障がい者割引を設定しています。
特に有名なのは、映画館の利用料金でしょう。チケット購入時に障害者手帳を提示することで、鑑賞料金が1,000円になります。
2019年、TOHOシネマズなど一部の映画館において映画鑑賞料金が値上げされました。
一般料金は従来の1,800円から1,900円に改定されましたが、障がい者割引は変更がなく、1,000円のまま据え置きです。手帳の提示だけで大きく値下げされるので、大きなメリットだと言えます。

交通機関

交通機関も障がい者割引が適用される場合があります。
例えば東京都では、「精神障害者保健福祉手帳」の交付を受けている方限定で、
「精神障害者都営交通乗車証」の利用が可能です。
この乗車証を使えば、都電・都バス・都営地下鉄・日暮里舎人ライナーの全運行区間を無料で利用できます。

しかし、JRでは身体障がい者・知的障がい者向けの割引制度はありますが、精神障がい者向けの割引はないので注意が必要です。割引制度の有無は鉄道会社・バス会社によって異なるため、こちらも各交通機関のサイトにてご確認ください。

NHK受信料

次の条件に当てはまる場合、NHK受信料が全額または半額免除されます。

<全額免除>
世帯のうち1人以上、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳のいずれかを持っている
世帯全員が住民税非課税

<半額免除>
世帯主および受信契約者が、精神障害者保健福祉手帳「1級」を持っている

手帳の提示で受けられるサービスは多い

ASD(自閉症スペクトラム)・ADHD(注意欠陥・多動性障害)などの発達障害の場合、「精神障害者保健福祉手帳」を取得するケースがほとんどです。そのうち、等級の低い3級でも、都営交通機関の利用料金が無料となったり、映画鑑賞料金が1,000円となるなど、各種割引を受けられるため、まだ取得されていない方は、ぜひ申請することをお勧めします。

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