
「チック」とは自分の意志とは関係なく身体が動いてしまう障がい
誰しも少なからずついやってしまう癖があると思います。
例えば爪をかんでしまったり、頭をかいてしまったりなどの動作などです。
ただこういった癖とは違い、本人の意志とは関係なく身体が動いてしまう「チック」という障がいがあります。
今回は、子どものときによくみられる情緒障がいの一つ「チック」について考えていきましょう。
チックってどんな障がい?
チックとは本人の意志とは関係なく、瞬間的に身体が反応してしまう障がいです。
主には以下のような症状があります。
チックの症状
・何回もまばたきをしてしまう
・話をするときに頭部が横を向く動作を繰り返してしまう
・顔をピクッと繰り返ししかめてしまう
・肩をすくめる動作を繰り返してしまう
・咳ばらいを繰り返してしまう
・のどが詰まったように突然声を出してしまう など
このように本人が思ってもいないような動作が急に出現します。
また、チックがみられることを本人が意識していなかったり、気づいていなかったりすることも多いです。
なぜチックは起こるのか
チックの原因は今のところ詳しくわかっていません。
以前は大きなストレスが原因になって起こると考えられていましたが、現在は生まれながらにチックの症状が出現しやすい体質であるということが大きく関わっているようです。
年齢は子どものときにみられることが多く、脳の機能がまだ十分に発達していない時期によく見られます。
具体的には幼稚園から小学校低学年頃までに出現することが多く、ほとんどが軽くなったり重くなったりを繰り返しながら中学生頃までには消失することが特徴です。
子どもの時期に多い理由は脳の機能が発達段階にあるということ、環境の変化によるストレスが脳に刺激となることなどの原因が考えられます。
チックは育て方や環境は影響するのか
一時期親の育て方や厳しすぎる家庭環境が原因であると考えられていました。
ただチックの原因はさまざまであることがわかってきており、ストレスがかからなくてもチックの症状が出てくる場合も多いです。
こういった子どもたちは生まれながらにチックの症状が出現しやすい体質であることが考えられます。
家庭環境や育て方が厳しすぎるからチックの症状が出現するのではなく、本来もっている気質であることが多いので子どもと特別に関わるのではなく、今までと同じように接していくことが大切です。
チックは遺伝する?
親の持っている体質が子どもにも遺伝することは考えられますが、すべての症状が遺伝するわけではありません。
ただ親にチックがみられると、子どももチックになりやすい体質であると可能性は高くなります。
まとめ
チックは子どものときにみられる一時的な情緒障がいの一つです。
その多くは、大人になるにつれて症状がなくなっていきます。
チックの症状が見られるときは心配になってしまいますが、本人にチックを意識させないように配慮すること。
そして家族と周囲の人たちが子ども向き合ってしっかり関わっていくことが大切です。