Hyperthermia

脳性まひは体温が高い?~子どものリハビリコラム③~

Hyperthermia

はじめに

私が普段障がいをもった子どもたちのリハビリをしていて疑問に思うことがいくつかあります。

その中の一つに「脳性まひの子どもは体温が高いのではないか?」という疑問があります。

ただ、全ての脳性まひの方が体温が高いのではなく、体温が高い傾向がある方はある特徴があるように思います。

今回は、なぜ脳性まひの子どもたちは体温が高い傾向があるのかということについて分かりやすく紹介していきたいと思います。

体温が高い=熱があるわけではない

先生、いつも疑問に思っていたんですけど、なんだか自分は他の人より体温が高い気がするんですけど・・・気のせいでしょうか?

体温が高い?
確かにリハビリをしていても体温が高く感じることはありますね。
でも、どこか体調が悪いわけではありませんよね?

そうなんです。
別に体調が悪いとか、悪寒がするとかそういった風邪症状などは全くありません。
でも一般的な体温より高い(37°程度)です。
どうしてか分かりますか?

うーん・・・
もしかしたら筋緊張が影響しているかもしれない。
脳性まひの方は、一般的に筋緊張が高い状態が続きます。
ということは、常に筋が過剰に働いている状態とも言えます。
筋が働けば熱が生まれるから、もしかしたら体温が高いのかもしれませんね。

確かに、普段何かしようとすればなおさら力が入りやすいです。
ただでさえ緊張しているのに、動こうとするたびに余計に力が入ってしまいます。
緊張が高いということはそれだけ頑張って動いているというわけですね。
だから体温が上がりやすいのかもしれませんね!

体温が高いからといってからだ全体が温かいわけではない

先生、でも体温が高いのに手足は冷えていることが多いのはどうしてでしょうか?
普通に考えたら体温が高ければ手足も温かいような気がするんですけど。

それは、脳性まひ特有の筋肉の働きが影響しているのかもしれませんね。

脳性まひの方のからだの筋肉の特徴は、特定の決まった動きがほとんどで色々な動きをすることが難しい傾向があります。
本来人間の筋肉は、互いに協調しながら動くことで色々な動きをすることができます。
しかし、脳性まひの方は脳からの指令が一方通行で得意な動きにばかり指令がいき、他の動きには指令がいきにくくなってしまいます。
そのため、働いている筋肉の部分は体温が高いけれども、あまり動かしていない部分は逆に冷えてしまうのではないかと思います。

そういえば、車椅子で普段は移動しているから足は動かさないことが多いです。
特に足先は冷えやすいです。

そうですね。
私たち健常者も一緒で、あまり動かないでじっとしていると筋肉が働きにくくなるので段々と足先や手先が冷えてきます。
だから、普段から色々な動きを経験することはからだにとって良い影響があるということですね。

よく分かりました。
からだを動かすときは、できるだけ色々な動きを大きく行うことがからだにとって良い影響があるということですね!

まとめ

Body temperature

・脳性まひの方の体温が高いのは筋緊張が高いことが影響している可能性が高い

・脳性まひの方は平熱が高い傾向があるので、一般的な熱の基準が適応にならない場合がある

・からだ全体の体温が高いのではなく、部分的に冷えていることが多い(手足の先など)

・からだ全体を大きく動かすことで身体に良い影響がある(適切な体温を維持することができる)

体温が高い傾向があるのは、必ずしも全ての脳性まひの方に共通することではありません。

自分のからだのことを知ることは、日常生活を快適に過ごすことにつながります。

自分の平熱がどの程度なのか、普段から知っておくことが大切です!

ぜひ、この機会に自分の体温について調べてみましょう☆

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