
はじめに
子どものリハビリテーションを行っていると、お母さんを始めとしたご家族から様々な質問をうけます。
特に1歳未満の赤ちゃんのご家族に多い質問の中に、「うつぶせになるのを嫌がる」という悩みがあります。
今回は、なぜうつぶせを嫌がる赤ちゃんがいるのか?ということについて分かりやすく紹介していきたいと思います。
まずはうつぶせにしてみよう
うちの子どもは生後6ヶ月になるのですが、うつぶせになろうとしません。
うつぶせは子どもの発達に欠かせないと聞いたことがあるのですが、何か異常でもあるのでしょうか?
先生、教えて下さい!
確かに生後6ヶ月の段階でうつぶせにならないのは気になりますね。
その前に、今までに子どもをうつぶせにしたことはありますか?
いえ、うつぶせは顔が下に向くので息ができなくなりそうでなんだか怖いんです。
だから、子どもが自分でうつぶせになるのを待っていたのですが・・・
親がうつぶせにしても良いんでしょうか?
大丈夫ですよ!
一般的に生後3~4ヶ月の間に首がすわると言われているのはご存知ですよね?
この時期になれば、親がうつぶせにしてもしっかり見て安全を確認している状況であれば問題はありません。
むしろ、うつぶせにしたほうがからだの色々な筋肉が働くのでぜひやってほしい姿勢です。
自分からうつぶせになろうとしない赤ちゃんは、親がうつぶせの姿勢にしてあげるようにすると良いですよ!
それを聞いて安心しました。
さっそく家でうつぶせをさせてみようと思います!
ただ、脳性まひなどの脳に障がいがあるケースはより慎重にうつぶせをさせる必要があります。
子どもの状態に合わせること、そしてしっかり親が見ていることを前提にうつぶせにさせてくださいね!
どうしてうつぶせになることを嫌がるのか
うちの子どもは仰向けになることは嫌がりませんが、うつぶせになると泣いてしまいます。
なぜうつぶせを嫌がるのでしょうか?
息が苦しいのでしょうか?
うつぶせを嫌がる理由は様々ですが、多くは思ったように動くことが出来ないということ、そしてうつぶせになる経験が少なすぎるということがあります。
それから実は、うつぶせは息をしやすい姿勢でもあります。
特に、低出生体重児や脳性まひの子どもたちはお腹周りの筋肉の働きが十分ではない場合があります。
すると、うつぶせの姿勢を経験できなかったり、うつぶせになると動きにくくなったりします。
そのため、うつぶせにすると嫌がる傾向が強いです。
なるほど。
じゃあ、嫌がるのであまりこどもにとっては良くないかもしれませんね・・・。
うつぶせはできるだけさせないほうが良いですか?
いえ、むしろうつぶせはできるだけさせたほうが良いです。
うつぶせは運動発達において、大事な姿勢で子どもの視野も広がります。
嫌がるからといってさせないのではなく、うつぶせにしたときに手伝ってあげるようにしてくださいね!
まとめ
・うつぶせは子どもの運動発達にとって大切な姿勢
・できるだけうつぶせを経験できるようにする
・うつぶせを嫌がるのは、うつぶせの経験が少ないもしくはうつぶせになると思ったように動くことができない可能性が高い
・低出生体重児や脳性まひの子どもは、うつぶせにさせるときに注意が必要
・生後3~4ヶ月ごろ(首がすわるころ)にはうつぶせの経験を始める

うつぶせは運動発達にとって大切な姿勢ですが、無理やり経験させないといけないというわけではありません。
大事なことは、うつぶせを始めとした色々な姿勢を赤ちゃんの内に経験させておくことです。
そうすることで、歩けるようになったときにからだの使い方が自然と身につき、バランス能力を高めることができるようになってきます。
育児は心配ごとが尽きませんが、少しでも参考になれば幸いです!
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