
環境を整えるだけがバリアフリーではない
バリアフリーというと、身体障がい者の方が過ごしやすくするために環境を整えることと考えてしまいがちです。
確かにバリアフリーはそういった環境を整えることで誰でも使用することができるものでもあります。
ただ、はたしてそれだけで障がい者の方は日常生活が過ごしやすくなるでしょうか。
近年発達障がいが注目されるようになってから、環境だけではなく心のバリアフリーが注目されるようになってきています。
今回は「心のバリアフリー」とは何かいうことについて考えていきましょう。
心のバリアフリーとはどういった考え方なのか
心のバリアフリーとは、障がいがある方もない方もお互いに理解しあうという考え方です。
バリアフリーというと健常者の方が障がい者の方に配慮すると思われがちですが、障がい者の方も健常者の方を理解するということがポイントになります。
またお互いに理解するというだけではなく支え合うという考え方も含まれています。
東京パラリンピックの開催に伴い、注目されるようになってきました。
心のバリアフリーをどのように実現するのか
心のバリアフリーの実現のためには3つのポイントがあります。
➀障がい者の方の社会参加を困難にしている現状を理解し、社会的障壁を取り除くことは社会的責務であるということ
②障がい者の方を不当に差別したり、障がい者の方の家族への差別をしたりすることを行わないように徹底すること
③障がい者のことを理解し、自分とは違う多様な他人とのコミュニケーションをとれるように共感すること
「ユニバ―サールデザイン2020行動計画」より
学校教育における交流・共同学習との関連
心のバリアフリーの実現のために、学校においても障がい者の方との交流・共同学習を推進しようという取り組みが出てきています。
これは普通学校に限らず特別支援学校や幼稚園も含めた取り組みで、お互いの学校が共同で学習する機会を設けることが求められています。
お互いに交流・共同学習を行うことは障がい児の方の刺激になるだけではなく、一般の子どもたちにとっても理解を深めるために必要な機会です。
まだまだ各地域や学校によって取り組みはさまざまですが、一回だけの交流・共同学習で終わるのではなく、継続的に交流できるようにしていく取り組みが大切です。
まとめ
・心のバリアフリーとは障がいの有無に関わらずお互いが理解すること
・ただ単に理解するだけではなく、お互いに支え合うことが大切・教育の場でも交流・共同学習という形で心のバリアフリーへの取り組みが始まっている
バリアフリーという言葉が社会に知られるようになり、さまざまな取り組みがされるようになってきました。
ただバリアフリーとは環境を整えるだけではありません。
障がいの有無に関わらず、お互いが理解・支え合うようにしていくことが現在の社会に必要とされていることです。
誰しもが過ごしやすい社会になるように一度心のバリアフリーについて考えてみるのはいかがでしょうか。