「アバウト・レイ 16歳の決断」性同一性障がいの主人公と家族の絆の物語

今回の記事では、アメリカのドラマ映画「アバウト・レイ 16歳の決断」(原題:3 Generations)について紹介していきます。

「アバウト・レイ 16歳の決断」あらすじ

映画「アバウト・レイ 16歳の決断」の主人公である16歳のレイは、母のマギー、祖母のドリー、ドリーのパートナーであるフランシスコとともに生活をしてしています。

レイは性別移行の治療を受けるべく病院に通いますが、ホルモン療法を開始するには、両親双方のサインが必要になります。

父親の署名を貰うために、レイは10年ぶりに父親に会いますが、両親が別れた理由や、自分の出生について真実を知ることになります。自分の本当の姿を手に入れることができないまま、生涯を終えてしまうのではないかと、レイの不安と焦りが募ります。

「性同一性障がい」を抱える主人公の葛藤を取扱った作品というよりは、家族との関係性を描いた物語です。

レズビアンでいいじゃない

“Why can she be just a lesbian?”「レズビアンでいいじゃない」

レイの祖母であるドリーは、レズビアンであることとトランスジェンダーであることの違いをよく分かっていません。

“Because she is not a lesbian Mom”
「なぜならあの子はレズビアンじゃないからよ」
”She is a boy”
「違うの、あの子は男の子なの」

レズビアンとは、恋愛対象の性が女性である女性のことを指します。

トランスジェンダーとは、「自分の認識している性と身体的性別が一致しない状態」です。厳密に言うと、性同一性障がいとトランスジェンダーには違いがあります。

性同一性障がいは、心と身体的の性別を一致させたいという意識がある状態のことを言います。
性同一性障がいよりもトランスジェンダー の方が広い意味を持ちます。

主人公のレイは、心と身体的の性別を一致させたいと強く望んでいるため、性同一性障がいであるといえます。

特別扱いはうんざりだ

主人公のレイは転校をする前に、新しい自分に生まれ変わって心機一転したいと考えています。
母親が学校側は特別な措置をとってくるよとレイを諭しますが、レイは「特別扱いはうんざりだ」と思いのたけを叫びます。

自分らしく生きるって意外と難しい

想像してみてください。
学校のトイレを使いたいときに、あなたは男子トイレを使用したいのに女子トイレを使用しないといけません。
他の人から「彼」ではなく、「彼女」と呼ばれ違和感を覚えます。
みんなと違うから、特別扱いを受けます。
「自分らしく生きよう!」「ありのままでいよう!」そんなうたい文句をよく耳にしますが、実際は難しいことです。
レイを見ていると、自分の本当の姿を追い求める強さを感じますが、「自分らしさ」とは一体何か考えさせられます。

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