ありがとうと笑顔は生きる希望

こんにちは。はじめて記事を書かせていただきます、碧です。

私には生まれつき、知的障害を伴う自閉症、注意欠陥多動性障害、発達性協調運動障害という障害があります。

また、17歳でベーチェット病を、18歳で原因不明の痙性対麻痺を発症しました。

現在は、車いすを使って生活しています。

幼いころからあらゆる場面で困難に出会ってきた私は、常に周りとの差に悩み続けてきました。

生きることに絶望し、明日目が覚めなければいいのに、と願いながら眠ったことも何度もあります。

でも今は、たくさんの人の協力を得ながら、障害や病気とつきあいながら生きています。

今回は、私がどのように生きてきたか、そして今どのように思いながら生きているかをお話ししたいと思います。

目立たないいい子、だった幼稚園時代

母の話ですが、幼稚園の頃、朝8時に出ると決めたら、8時2分になったらパニック。工作や図工の時間も、でんぷん糊の感触が嫌でさわれなかったり、折り紙の角と角が合わなかったりしていたそうです。

「みどりちゃんはへんだから」と、おままごとはたいてい犬役。

偏った知識を一方的にぺらぺらと話してしまって大抵の子は引いてどこかに行ってしまうので、そう多くのお友達はできませんでした。

崩れていく「ふつう」

進学しても、授業や提出物に全くついていけない。家に帰ったらもうぐったりで、大量の提出物をこなす余裕なんかありませんでした。もちろん、テストは0点が当たり前。

クラスメイトや担任になじられ、文化祭の準備もさせてもらえなくなりました。

だんだん、関係ないはずの授業の先生の声まで刺さるように感じるようになり、学校から足が遠のくようになりました。

思い返すと、ほかの子ができる場面でできなくて深く傷ついたり、人の言葉やしぐさに過剰に反応したりするようになっていたと思います。

できないことでのけものにされたり、相手の反応を気にして自分の気持ちを出せない環境で過ごしたりしているうちに、私は体調を崩していきました。

中学校2年生から高校3年生まで不登校になり、多いときは精神科で一日30錠以上のお薬を処方され飲んでいました。

入退院を繰り返し、何もかも嫌になって、自分の体を大切にすることができなかったこともあります。

笑うことは、生きること

そんな中で、私に生きる希望をくれたのは、周りの人の、私に向けられた「ありがとう」の言葉と、「笑顔」でした。

最初は、ずっと、私に向けられた言葉なのかどうかさえも信じることができず、どうしたらいいかわからない、不思議な気持ちになっていました。

でも、ある日、何気なくありがとうと言われた時、「これは私に向けられた感謝と笑顔なんだ」と気づいた瞬間、ものすごい感謝とうれしさでいっぱいになって泣きました。この時のことは忘れられません。

2020年、私はベーチェット病、原因不明の痙性対麻痺と診断され、車いす生活を送っています。最初は落ち込みました。病気になっていいことなんて一つもなかったし、傷ついたこともあります。

しかし、車いすになったから、病気になったからこその出会いもたくさんありました。

それに、麻痺になって作った車いすは、とてもお気に入りの車いすです。これは、麻痺になっていなかったら出会えていなかった、私の相棒です。

こう考えることができるようになったのも、周りの方から感謝や笑顔の力をもらっているからだと思います。

今のわたし

現在私は大学2年生ですが、今は療養のため休学しています。

薬は最大のときよりかなり減りましたが、今も主治医と相談して調整している途中です。

私が休学中にしていることの一つに、少しずつですが絵を描いて発信するということがあります。

好きな音楽、気持ち、感情…たまに依頼されて描くこともありますが、その時感じたイメージで描いています。

どんな絵を描いていても、いつも根底には「笑顔になれる絵を描きたい」という思いがあります。

だから、納得できない絵はぐちゃぐちゃに丸めて捨ててしまうし、考えるのもとても時間がかかります。しかし、やっと完成した絵を見て笑顔になってもらえるのを見ると、私はとっても幸せな気持ちになります。

パラリンアート作品

相手に「ありがとう」と伝えること。笑顔で接すること。
小さなことかもしれないけれど、それは小さくても、すごく幸せなこと。

小さな幸せを感じられることに気付けるということは、「あたりまえ」に幸せを感じられるということだと思っています。
頑張って「ふつう」になろうとしていた昔の私は、わからなかったことでした。

私は、世界は、たくさんの「偶然」が重なった「運命」でできていると思っています。

ありがとう、の漢字も、有ること難し、と書きます。そこにあることが、めったにないのです。

ありがとうと言われることは、ありがたいこと。

笑顔で接してくれるのは、うれしいこと。

わたしも、「ありがとう」と、笑顔のきもちを忘れずに、今日も生きていきます。

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