【NPO法人を運営して感じること】NPO法人の代表になった経緯 #2

NPO法人の代表になった経緯①

みなさんこんにちは!川﨑良太です。第一回目の私の記事を読み終えた猛者しかたどり着けない二回目の記事にようこそいらっしゃいました。前回は社会への不満を嫌味たっぷりにお届けしましたので、今回は少しリフレッシュした内容でお届けしてまいります。

第一回目をまだ読んでない方はコチラから

テーマはずばり!NPO法人の代表になった経緯です。私は2017年から鹿児島市にある「NPO法人自立生活センターてくてく」にて代表を務めている。

てくてくと出会ったのは(回想スタート!)約15年ほど前、当時高校生だった私は療養中の病院内で行われたあるお話し会に興味本位で参加した。そこにはストレッチャーに横たわった(当時はそう見えた)女性がいて、近くにはその女性を支えるように介助をする女性がいた。介助をしている女性はストレッチャー上の女性が発する言葉に即座に反応し、手を動かしたり、携帯電話を見せたりするのである。それだけでも衝撃的なのに、その女性が話した内容に度肝を抜かれたのである。女性はこう言った。「障害があっても地域で自分らしく生きていける」「好きな人に好きな時に会いに行ける」そして最後に「我慢しなくてよいんだよ」と。

今でも鮮明に覚えているこの言葉は私にとって衝撃でその後の人生を大きく左右する言葉だった。このころの私は、養護学校に通いつつ、病棟に住み看護師さんにあらゆる日常的な介助をお願いしている状態であった。施設や病院は得てして少人数で大勢の介護や介助をしていくようになっており、私の病棟も同様だった。そこでは、食事の時間(4人程の患者さんに対し看護師1人がつき順々に口に入れていく様子はさながら親鳥が小鳥に餌をあげるようだ)、消灯の時間は決められ、入浴は週に2回。そして極め付けは大便の時間が決められ、指定の時間外に行くと文句を言われ小便に至っても人出が少ない時間帯にお願いすると文句を言われてしまう。

無論高校生だからと言って外出の自由はなく、近くのコンビニへ行くのも病棟の許可、主治医の許可が必要であったから、生活するままに障害者は我慢するのが当たり前で、付け加えるなら、上手く職員の機嫌を取ることができれば、してもらえることが増えるので我慢はしたもの勝ち、という風にとらえていたかもしれない。そんな背景があったからこそ「我慢しなくていいんだよ」の言葉には衝撃を覚えた。この話を聞き、自分に可能性を感じた後私は一冊の本と出合う。「こんな夜更けにバナナかよ」である(別記事に詳述)病棟の一室で貪るように読み、破天荒に生きる鹿野さんみたいになれると思っていた。

なりたいと思っていた折、一つの団体との出会いがあった。

それが「自立生活センターてくてく」である(やっと出ました!)てくてくは当時設立5年目を迎え、日夜鹿児島の障害者のために奔走していた。てくてくは私が療養している病棟の先輩方が設立者となっていたのだが、ここにも一つのストーリーがある(別記事詳述)先輩方が間近で自立をしていく様子、そしてお話し会や本の影響もあり自立へ前のめりだったことから、当時てくてく代表の吐合から「自立生活体験してみない?」の言葉に飛びついた。

自立生活の意味もよくわかっていなかったころである。”体験って何するのだろう?”と思いながら、私はマンションの一室に向かった。

そこは障害者が自立する体験をするというにはあまりにお粗末なもの、だと感じた。部屋は立派なのだが、その…所謂、福祉機器等が全くないのである。ここで二泊三日するのかーーー。と呆然とした記憶である。そして付き添ってくれたのは若い男性。その男性がヘルパーであり私の身の回りを介助するということだそう。さて困った。

事前に話は聞いていたものの、何をしていいか分からない。しかし昔から腹が減っては戦はできぬというし、腹ごしらえが先と思い近くのス-パーへ向かった。買い物の際中、ヘルパーさんは私が尋ねる一つ一つに丁寧に返答をくれ、商品等を見せてくれる。今までは買い物へ行ってもその物の詳細まではわからず、なんとなく手に取れるものや買ったことのあるものを購入していただけであった。然しこの時の私は”他の人と変わらない”ように商品を間近で見たり、賞味期限がなるだけ長いものを選べたりと、買い物の工夫をできたのである。何気ないこの行動が本当にうれしかったのを記憶している。買いもしない商品を見たり、今まで知らなかったことに触れるのはこんなにも楽しいことなのだとスーパーの買い物で感じた18の夏であった。かくして私は”何かを食べた”のである。そのなにかは覚えていないが(多分出来合いの唐揚げだろうけれど)自分で選んで食べることができた初めての物、味こそ覚えてないけれど今でもとても幸せな気持ちにさせてくれる物だ。

選んだものを食べ、好きな時間までテレビを見て、好きな時間に寝る。こんな当たり前なことができる喜びを知ってしまった。「我慢しなくていいんだよ」ってこういうことだったのかと気づいた。この時に必ず自立しようと決めたのである。。

第三回はコチラから

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